佐渡島の移り変わる四季とともに
日本海に浮かぶ佐渡島。その気候は海洋性で四季の変化に富んでいます。暖流と寒流の接点にあり、北限・南限の植物が同居し、高山植物や山野草などの種類もとても豊富です。また、暖流にのって現れるマグロ、寒流にのって現れる寒ブリなどの多様な水産物にも恵まれています。豊かな自然や風土と人々の暮らしは一体となり、文化や伝統、芸能などが季節に彩りを添えます。 風物やお祭り、旬の味覚など、季節ごとの島の魅力をお楽しみいただければと思います。
春
たんぼが水鏡のように木々や空の色を映し出し、みずみずしく、爽やかな美しい里山の風景が広がります。
気候・風物
佐渡の春は金北山(きんぽくさん)の雪解けとともに訪れます。平年2~3月には雪解けを迎えます。冬の間、雪のため閉鎖する大佐渡スカイラインも、4月の中旬から下旬くらいまでの間に開通し、田植えは早い地域で4月後半から徐々にはじまります。冬の間、乾かしていたたんぼに水がはられるとまもなく、目覚めた蛙たちがいっせいに鳴きだし、春のはじまりを告げます。
人間界においてはなおのこと賑々しく、その年の豊作を祈るお祭りが島開きとあわせて各地で開かれてゆきます。遠鳴りする太鼓の残響が木立の向こう側から夜な夜な聞こえてくるようになります。集落の青年がお宮や集会場に集まり、春祭りで奉納するための鬼太鼓を練習する音です。この季節、たんぼが水鏡のように木々や空の色を映し出し、みずみずしく、爽やかな美しい里山の風景が広がります。
春が旬の食材
3月位からワカメ、アラメ、メカブ、ナガモ、ギンバソウなどの海草がスーパーの店頭にも並びはじめます。また、春先は山の幸も豊富です。雪解けのはじまる2~3月のフキノトウにはじまり、4月~5月はワラビ、コゴメ、ギョウジャニンニク、タラノメ、フキ、タケノコ、ウド・・などおいしい山菜が味わえる季節です。ホテルなどでも、佐渡産の自慢のコシヒカリに加えて、とりたてのワカメをしゃぶしゃぶ風にあしらったお膳や山菜料理がふるまわれるなど、地元の食材を味わっていただける機会が増えているそうです。宿で食べた「佐渡のお米」が思いのほか美味しかったとおっしゃって下さるお客様もあり、私たちとしてもとても嬉しく思います。春の香りいっぱいの海の幸と山の幸をご堪能いただけましたら幸いです。
そのほか季節の食材としては、越後姫(苺)、佐藤錦(サクランボ)、椎茸などがあります。
越後姫はエコファーマ認証登録を受けている栽培農家があります。ハウス栽培は出荷時期が早いですが、露地栽培の場合は、収穫時期が5月頃となります。サクランボの佐藤錦については佐渡では生産農家が限られ、入手が難しい場合もありますが、中には名産地と張り合う高品質のものも収穫されています。椎茸は、乾燥させて干ししいたけとして出汁をとったり、煮物に利用される機会が多いですが、乾燥前の椎茸もおいしいものです。焼いていただくと、山の鮑と形容したくなるほど、肉厚で歯ごたえがあり、香りが高く、肉や魚の代わりにメインに据えてもよいような重厚感があります。島の中でもほだ木や生育環境により性質の異なるものが収穫できるようです。良質の椎茸は、なかなか地元の食品店にも出回りませんが、機会に恵まれましたらぜひ、お召し上がりいただきたいもののひとつです。
春になるとドンデン山やスカイラインの放牧もはじまり、山でみかける機会も増えます。ひとつの風物詩になっています。乳牛は小屋で飼育されますので、ほとんどみかける機会はあまりありませんが、乳製品はスーパーや売店などで気軽におためしいただけます。
夏
佐渡の夏は、ツアー客のほか、修学旅行生や帰省客でも賑わいます。
気候・風物
6月前半(カンゾウ祭りや修学旅行シーズン)、8月のお盆の前後は、里帰りの帰省客も重なり、島が沈むのではないかというほど、一年中でもっとも混雑する時期ですので、お客様には早めのご予約をお勧めしています。
6月はカンゾウのほか、月の初め頃まではドンデン山のシラネオアイが、初旬から中旬にかけては大佐渡スカイラインでレンゲツツジが見ごろを迎えます。7月後半には海開きとなり、海水浴やマリンスポーツなど本格的なレジャー・シーズンを迎えます。磯遊び、シーカヤックやジェットスキー、ダイビング、キャンプなど、アウトドア・レジャーも、佐渡でなら海と山の両方を楽しめます。 夜にむかっては、辺りを染めながらゆっくりと水平線のかなたへ沈み行く夕日、波の音、イカ釣り船が灯す漁火、海蛍、満天の星が、旅情を深め、雑多な日常から別の世界へと誘います。
夏が旬の食材
初夏になるとトビウオの水揚げがあります。5~6月の修学旅行シーズン、矢島経島の海中公園でたらい舟体験をしていた小中学生から、突然、入り江の向こうからトビウオが大きなアーチを描いて海の上を飛んでいくのを目の当たりにし、びっくりしたと聞いたことがあります。そのトビウオは、お刺身で食べられたりすることもありますが、出汁用に加工されたものに人気があります。地元ではアゴダシと呼ばれていて、トビウオを昼夜長時間かけて燻し、乾燥させたものです。アゴダシは煮干のように煮出すことで出汁をとることができます。アゴダシのスープは見た目も鮮やかな黄金色に透き通り、魚の臭みや癖が一切感じられない、まろやかで繊細な味の出汁がとれます。優しすぎて、他の食材の強さに負けてしまうことがあるので、カツオや昆布の出汁と合わせて使われたりします。
盛夏が近づくとサザエやアワビの漁も解禁になります。刺身のほかにも、つぼ焼きや踊り焼き、炊き込みご飯などいろいろな調理法で楽しまれています。また、イワガキも人気の一品、野趣満点に殻つきのまま焼いたり、レモンやポン酢を添えて生食で提供される場合もあります。
そのほか、イカの身に細く包丁を入れて素麺のように仕立て、喉越しよく、柔らく旨みたっぷりのイカソウメンも久しく人気の夏の定番メニューです。シタダミなどの貝類やモズクなどの海草も夏らしい味覚です。
お子様連れのご旅行などでは、磯釣り体験やイカの一夜干し体験なども人気です。また、イカ釣り船や漁業の体験は釣具屋さんや釣り船をもつ民宿、遊魚船組合などに依頼できます。自分で釣った魚や海の幸ならいっそうおいしく感じられるのではないでしょうか。自然の景色や潮風を感じながら、とれたての海の幸を食し、佐渡島をまるごとあじわいつくす、いかがですか。
夏の果物もあります。西三川(にしみかわ)のスイカは味に定評があり、中には農林水産大臣省を受賞する農家さんもあるほどです。また、ネクタリンも品種が色々ありますが、濃厚でうまみと栄養がぎゅっと凝縮された完熟のものがおすすめです。夏バテも癒して元気づけてくれるようなフルーツです。
健康ブームで注目の桑やイチョウのお茶も佐渡で生産されています。イチョウの葉は多少の苦味、桑の葉は甘味を感じます。番茶などとブレンドされた製品も販売されています。脳の血流を増やし活性化につながるという説がある一方で、エキスの場合には慎重な摂取をよびかける記事も...〔「[イチョウ葉エキス]薬との併用、高齢者は慎重に」yomiDr.(ヨミドクター)〕まだよく解明されていないことが多いようです。
また、佐渡では育たないとされていた昆布の養殖も研究が続けられ、商品化されています。朝、コップ一杯の昆布だしを飲む人もあるようで、とりすぎないよう気をつけて、ほどほどの量であれば、夏ばての時期などミネラル補給にもよいでしょうか?
秋
佐渡の秋は、黄金色にたなびく稲穂が平原に広がり、月夜には鈴虫をはじめ秋の虫たちが大合唱で、実りの季節を祝います。
気候・風物
稲刈りは9月下旬から10月はじめにかけて行うところが多く、乾燥や脱穀、籾摺りがおわると新米が食べられるようになります。佐渡の特産品であるおけさ柿の収穫も10月初旬に行われます。紅葉は標高の高い大佐渡の山々からはじまり、平年ですと10月下旬頃に見頃を迎えます。小佐渡山脈のふもとの里山は11月にはいってから紅葉が楽しめます。
11月中旬から下旬になり、金北山が雪を被ると、大佐渡スカイラインは積雪のため閉鎖されます。山に放牧されている牛たちも道が閉鎖される頃までには里の牛舎へ戻り、冬支度をします。その頃、山里にある古刹や古寺では、里山を借景に庭木の紅葉など晩秋の美しく色づいた様子をご覧になれます。
秋が旬の食材
実りの秋 ということで、穀物や果物が収穫の季節を迎えます。コシヒカリを中心とした佐渡産のお米、おけさ柿などの特産品があります。そのほか、サツマイモ、蕎麦、ル・レクチェ、キーウィー、葡萄、梨、林檎 など続々と収穫の時期を迎えます。また山に行けば栗拾いやあけび取り、きのこ狩りなどが楽しめます。
冬
佐渡も冬になると(新潟に比べれば)少ないながら雪が降ります。
気候・風物
山へ行けば、スキーやそりなどの雪遊びもできます。小規模ながらもワンダーバレー、平スキー場と2箇所のスキー場があり、スキー教室も開催されます。そりを楽しむ親子連れやスノーボートを楽しむ若者の姿もみられます。観光地としての佐渡は、冬は、オフシーズンに入りますので、観光施設やレストランも営業時間を短縮したり、冬期は完全休業する施設もあります。
雪が降り続くと街も里も次第に色を消していき、輪郭だけが浮かびあがるよう、白く雪化粧した里山や古刹も清廉な姿をみせます。晴れの日に見る山や海の透き通るような蒼さも他の季節には見ることの出来ない特別な感じがあります。真冬日には、シベリアおろしの北西の風が冷たく肌に刺すように感じられ、自然の厳しさが身に染むこともありますが、冬があることで雲から射し込むおひさまのありがたさを知ることができます。1月、2月、3月と、三寒四温の言葉のように雪が降っては溶けるということを繰り返すうち、次第に土が香るようになり、雪解けの度、少しづつ春の気配が強まっていきます。
佐渡の冬は人が少なくなり寂しい季節ともいえますし、都会の喧騒を離れて静かに過ごすには最適な季節ともいえます。シーズン中は予算面で躊躇する観光温泉ホテルもビジネス料金で宿泊できたり、連泊や中長期の保養にはかえって都合がよいかもしれません。
また、島内各地に公営の温泉施設も充実しており、温泉めぐりなども楽しめます。利用料金は、多くの場合、1人1回500~600円程度です。観光ホテルもオフシーズンになると宿泊客以外にも温泉を開放(有料)することがあります。食事や宴会付等、セットプランの形で提供されたり、料金体系もさまざまです。冬の佐渡も、お天気さえよければ、満足度の高いご旅行を楽しんでいただけるかと思います。
なお、オフシーズン中であっても、暮れからお正月にかけては、帰省客のため、佐渡汽船の船や市中の飲食店が混雑します。オフシーズンの間にメンテナンスやその他の目的で休館する施設もありますので、多少の余裕をもってご手配いただければと思います。
冬が旬の食材
冬になると寒さ厳しい日本海の荒波をこえて、脂ののった寒ブリが水揚げされます。ほかにも、甘エビ、牡蠣、いわのり(しまへぎ)、スケソウダラ、マダラ(の子)、ベニズワイガニ...。寒い季節には贅沢なおいしい海の幸がたくさん並びます。時化のときには漁が行われないため、いつでも同じように提供するということが難しいらしいのですが、そのために生簀を用意するなど、工夫を重ねられている施設もあるようです。
また、冬の間には地酒のしこみがはじまります。2月後半くらいになると、お酒を絞った後の酒かすがでまわります。酒かすといえども、蔵元やお酒の種類によって、それぞれに香りや舌触りなど個性や特色が異なるところが面白いです。春には新酒も店頭に並びます。
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営業時間: 7~23時
ご来島に関するご注意
佐渡汽船のジェットホイル(250席位)やカーフェリーの1等以上の船室は、全席指定で座席の数にも限りがあります。6月はじめの修学旅行シーズン、ゴールデンウィーク・お盆・年末年始など帰省客の移動時期やスポーツ・文化イベントが開催される期日など、思いがけない満席で身動きが取れなくなることがあります。そのためお客様には宿泊先と同様に船の切符も早目の予約をお勧めしています。
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